こんにちは、Megです!
今回は鈴木祐さんの『運の方程式 チャンスを引き寄せ結果に結びつける科学的な方法』についてレビューしていきます。
運の方程式 チャンスを引き寄せ結果に結びつける科学的な方法
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本書をオススメしたい読者像
3行要約
成功するには才能や努力が必要だと言われているが、運の要素も多分に関係してくると、成功者達は述べている。
人生はどこまで”運ゲー”なのか?
その謎に科学的にアプローチし、クエスト方式で自身の運を高めていく本書となっている。
書籍の感想
運の方程式
結論として、運は以下の方程式によって表すことができるようです。
$$
幸運 = (行動 \times 多様 + 察知) \times 回復
$$
本書では、幸運を構成する能力である、
- 行動力
- 察知力
- 継続力
- 回復力
について、それぞれ各章で概要と改善策が説明されています。
序章に、自分がどの項目が得意で苦手かがわかる診断シートがついており、行ってみた結果自分は「継続力」が弱いことがわかりました。
以下は、その継続力について本書の感想を述べていきたいと思います。
興味が色々移ってしまってあんま継続できないのは自覚しているんだよな…
「幅広い実験」と「一点集中」はつねにワンセット
幸運を掴むためには、最初に様々な領域にアクセスして多様な経験を積むことが大切です。しかし、そこから特定のアクションにコミットし続ける作業も欠かせません。
2~3年で飽きが来てしまうから、コミット力は自分に足りない部分
「幅広い実験」と「一点集中」はつねにワンセット。この二つを交互に繰り返すことで、私たちは運を正しく活かせるようになります。
この意識は薄かったので勉強になりました。今までは幅広い実験で終わることが多く、何か一つのことに取り組んでも、壁にぶつかると別のことに関心が移ってしまうことが多々ありました。
そこで、継続力を身につけるために、本書では3つのトレーニングが用意されていました。
- 成長領域トレーニング
- 忍耐のマイクロドーズ
- 自己調和ゴール分析
それぞれについて、自分が今後行なっていくトレーニング内容を交えながら紹介したいと思います。
成長領域トレーニング
この成長領域トレーニングとは、スタンフォード大学の心理学チームが提案したアイデアをもとに、著者がトレーニングとして組み直したものになります(Yeager & Dweck, 2012)。
このトレーニングは、4つの概念から成ります。
- 快適領域:自分のやるべきことをコントロールできていると感じられる
- 恐怖領域:強い不快感と不安に襲われる
- 学習領域:不快感よりも楽しさが上回る
- 成長領域:人生の満足度が上がる
1→4の順番で行動のフェーズは遷移していきます。
自分を例に挙げると、研究でコードを書くことに対して強い不安感を覚えていました。これは何度もエラーが出て、その度に自分の失敗を突きつけられているような感覚に苛まれたからです。
しかし、「手を動かさなければ研究は進まない」という、当たり前のことを諦観にも似た思いで実感したことによって、エラーや実験条件のミスなどで一喜一憂することなくなりました。そして、先輩らに助言を求めることで、徐々に知識をつけていき、最近になってやっと研究を楽しいと思えるようになりました。
研究を続けて約2年半でやっとこの境地…
時間はかかったけど卒業前に研究の楽しさを掴めたのは大きい
本書では、各領域に対しての質問が用意されており、自分の思考の癖を把握することで成長領域に入る手助けをしてくれます。
自分が恐怖領域に入った時、準備に時間をかけて「完璧」な状態で物事に取り組もうとする癖があるな
忍耐のマイクロドーズ
達成するために少し忍耐を要し、メリットを感じているタスクを実行することで、継続力の自信をつけるトレーニングです。
設定するタスクとして重要なのは、主観的な難易度です。最難関タスクを10点とした時、3~4点くらいのタスクに取り組むことが重要です。
具体的なタスクが思いつかない方のために、46種類のタスクが表記されている「忍耐のマイクロドーズリスト」があるのが、本書の親切なところです。
自分は、先月から取り組んでいるのですが、
- ジャーナリング
- 日記
- ストレッチ
を忍耐のマイクロドーズとして行なっていこうと思います!
「継続力がある」と自己認知を書き換えていこう
自己調和ゴール分析
継続力が大切なのは、百も承知ですが、前から難しいと感じていたのは「どの目標に注力するべきか?」ということです。本書には、その取り組む目標の絞り方についても解説してくれています。
いたせり尽せりすぎる
詳細な絞り方についての説明はあるのですが、ここでは簡易版のものを紹介します。
① この活動は、ほかの人の希望を叶えるために行うのか?あるいは、達成したら何かが手に入るからやるのだろうか?
② この活動を達成できなかったら、私は恥ずかしいと思うだろうか?
③ この活動は、私にとって重要な目標だと本当に信じられているのだろうか?
④ この活動は、私に楽しみや喜びを与えてくれるだろうか?
⑤ この活動は「私がどのような人間であるか?」を表現し、私が思う人生の価値を反映しているだろうか?
質問1, 2がイエスならその活動は控えて、質問3~5がイエスなら、その活動にリソースを注ぐ方が良いそうです。
自分にとっての研究に対して、上記の質問を投げかけてみたら1, 2, 3, 4がイエスでした。
…この場合はどうしたらいいんでしょうね?とりあえずあと半年で修士の学位審査なので、修士はやり切ろうと思います。
「研究」という生業自体は面白いけど、「学位取得」に対してあまりモチベが湧いていないのかも?
まとめ
運について科学的に説明されており、幸運を引き寄せるために自身に足りない部分をトレーンイングできる良書です。
本書は一読して終わりではなく、数ヶ月に1回のペースで「自分は運を引き寄せられているのだろうか?」を確認するマイルストーンとして活用するのが良いと感じました。
様々なことが自分の意思以外で決定していく世の中ですが、自分が関与できる範囲で最善を尽くして、運を味方につけていきましょう!
人事を尽くして天命を待つ
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参考文献
(1) Yeager, David Scott, Dweck, Carol S. Mindsets That Promote Resilience: When Students Believe That Personal Characteristics Can Be Developed. Educational Psychologist. 2012, vol. 47, no. 4, p. 302–314.