どうもこんにちは、Megです。
失敗すること自体が怖いという思いを克服したかったという理由と、ロシアによるウクライナ侵攻が行われている現在、第二次世界大戦で日本はどう振る舞っていたかを学んでおこうと思い、本書を手にとった。
「超」入門 失敗の本質
概要
本書は1984年にダイヤモンド社から出版された『失敗の本質』から、23個のエッセンスを抽出し、現代ビジネスにおける組織論にどう活かせるかを書いた本である。
以下、本書を読んで印象的だった内容をいくつか書いていく。
戦略の重要性
戦争での日本国の失敗をビジネスサイドに活かそうという内容だから、まず「戦略」について語られている。
「ストラテジーが大切なのは知ってますよ!」
体育会系ツーブロック自称イケイケ営業マンがイキってそんなことを言ってきそうだが、彼らは戦略を定義できるのだろうか?というか、彼らは定義と公式の違いを明確に認識できているのか?ツーブロックを入れる前に学ばなければいけないことはたくさんある。
戦略の定義
本書では、戦略は以下のように定義されている。
戦略とは、いかに「目標達成につながる勝利」を選ぶかを考えること。
まず最終目標を明確化し、それを達成するために1ステップずつこなしていくことが大切になってくると。
なるほど了解!…と言いたいところだが、気づいたら手段が目的になっていたことがままあるな。
例えば、就活で望んだ内定を得るためにTOEICの勉強を始めたら、いつの間にかTOEICで高得点を取ることが目標になっていた。これによりTOEICに時間を割き過ぎて、他の準備が遅れてしまうなどが考えられる。
常に大局を見失わずに行動していけるようになっていこう
指標の選択
自分にとって最適な戦略を決めれたとしても、誤った「指標」を選んでしまうと目標が達成できない。
自分の場合だと、「望んだ会社の内定をとる」という就活での戦略を立てた時、その会社がTOEICを要求していないのに、ずっとTOEICの勉強をしているのは最適な指標を選べていない例だ。
本当はAtCoderやKaggleに学習時間を割かなければいけなかったとしたら、そこに待っているのは
「就活頑張っていたけど、結果が微妙な冴えない理系大学院生」
が爆誕するわけだ。そして就活に力を入れていたから本分の研究が進んでおらず、そこでも絶望するわけだ。
…こうならないようにも、来年度からの就活と研究は本気で取り組みます。最適な方向に向けての努力をしていこう。
日本にGAFAが生まれない理由
話は変わって、日本に世界を動かす企業がここ数十年ほど生まれていない理由について考えてみよう。
体験的学習に囚われすぎ
第二次世界大戦で日本軍は初期の頃は勝利を収めていたが、後半では敗戦が続くようになった。これは、日本軍が前半での勝利体験に基づいた戦略しか取れなかったのが原因である。
その瞬間瞬間の戦況を読めず、過去の成功体験にしがみつき変わることができなった。そう、現状維持は停滞を意味するのである。
ドイツ初代宰相のビスマルクも次のように言っている。
愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ。
人一人の経験で学べることなんて、たかが知れている。私達は多くを過去から吸収し、未来に活かさなくてはいけない。
そうだ、本を読もう
世界のゲームチェンジャーが育っていない
日本はこの体験的学習に囚われることが多く、昔の指標にすがってその評価軸内でしか行動が取れないことが多い。
これは、現代の公教育で大学受験に向けた「問われたことに対し正確に解答する」という作業を訓練されてきてしまっているのが、大きな原因だと思う。
故に、そもそもの評価軸を疑う者やそれ自体を変えてしまう人が生まれにくい。これは、日本国民の性質ではなく、日本の教育制度の弊害ではなかろうか。
日本はここ数十年、国内GDPは横ばいで経済が低迷している。今後も少子高齢社会が加速していき、働き手の人数も減っていく。
だから、本当にもうそろそろ世界で活躍できる大企業創らないと、日本やべーぞ???
自分は教育と医療にAIを活かすことで貢献していきたい
イノベーションを創造する3ステップ
皆にも今の日本の危機感が少しでも生まれたら良いと思う。
それでは、世界に通用するイノベーションを起こす3ステップを見ていこう。
ステップ① 戦場の勝敗を支配している「既存の指標」を発見する
ステップ② 敵が使いこなしている指標を「無効化」する
ステップ③ 支配的だった指標を凌駕する「新たな指標」で戦う
イノベーションを起こすには、現在主流な指標を壊し、新たなものを創造する必要がある。
これからの生産世代には、上記の3ステップが求められている。これはもちろん大学院生の自分にもだ。
しんどいけど、自分ができる範囲で頑張っていくか…。
しかし、同期の大学院生や社会人の知り合いに「世界的なイノベーションを起こすぞ!!!」という気概を感じられる人はほとんどいない。
同年代の自分から周りに働きかけていきたいと思うが、それはいわゆる「価値観の押しつけ」になってしまうのだろう。そこで躊躇してしまい、上手く自分の思いを伝えられないもどかしさがある。
ここについては、効果的な方法や自分の気構えをもう一度考える必要があるな。
総合評価
第二次世界大戦における日本軍の失敗から、多くのことを学べた。
日本軍のことを具体例として取り上げているからしょうがない部分ではあるが、主語が「日本」と大きくなりがちなのは気になった。実際はどうなのかということは、別の資料をあたり確認する必要がある。
読了後は、日本の経済や教育面で大きな危機感を抱いた。将来、この危機感を払拭できるように少しでも貢献していきたい。
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