どうもこんにちは、Megです。
以下の論文のサーベイメモをまとめていきます。
内容の解釈違いの可能性があることをご容赦ください…!
研究の概要
Multidimensional recording (MDR) の新しい分析手法の提案とデータ共有サービスNeurotycho.orgの開始。
問題設定と解決した点
霊長類の電気的生理学において、従来はMDRを用いた単一細胞の活動を継続的に記録していた。神経活動を記録する前にタスクの長期トレーニングを行うことがあり、記録された神経活動が元の脳機能を反映したものか、トレーニングによるものかが不明であった。
また、単一細胞からの神経活動の記録は時間的・空間的に情報の偏りがあり、信号の品質の不安定さがある。
これらの問題を解決するために、本実験では、最新のMDRシステムの開発と、データ共有サービスNeurotycho.orgを開始した。
技術や手法のキモ
32ch, 64ch, 128chのECoGアレイを開発した。
32chの実験では、ECoGが安定して記録できることを示唆した。
64chの実験では、電極配置が適切ならば多くの電極は必ずしも必要でないことを示唆した。
128chの実験では、脳の内壁を含む左側の外側皮質を覆うことができた。
有効性の検証
作成したMDRの有効性を確認するため、
- サルによる光学式行動観察システムを使用した社会的な食べ物を掴むタスク
- 自由行動のサルの目の位置を記録する実験
が実施された。
データの共有において、
- 著作権問題
- セキュリティ問題
があるが、Neurotycho.orgでは誰でもデータにアクセスできるようにしたため、上記2点の問題は解消された。
議論
MDRは従来よりも幅広い情報を取得できるが、パラメーターを制御しないので使用を考えている情報とは別の不要なデータを収集してしまう。しかし、著者らは多くのデータを観察することで、データを用いた研究の解析可能性を残していると考えている。
Neurotycho.orgは分析済みと未分析のデータをアップロードしている。またPythonを使用した分析環境を設定する手順を公開しており、学生などが神経メカニズムを学び始める一助を担っている。
次に読むべき論文
研究に使用している実験タスクに関する論文を読む。